障害福祉サービス等報酬が改定されました

掲載日:2021.09.30

 今年4月に障害福祉サービス等の報酬改定が行われました。報酬改定は2006年の障害者自立支援法施行以降、3年毎に行われ、今回で5回目となります。
 今回の改定率は全体で+0.56%で、うち+0.05%は、新型コロナウイルス感染症に対応するための特例的評価とし、2021年4月から9月までの半年間、通常の基本報酬に0.1%が上乗せされます。
 具体的な改定内容はここでは割愛しますが、柱としては、①障害者の重度化・高齢化を踏まえた地域移行・地域生活の支援、相談支援の質の向上 ②効果的な就労支援や障害児者のニーズを踏まえたきめ細かな対応 ③医療的ケア児への支援などの障害児支援の推進 ④精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの推進 ⑤感染症や災害への対応力の強化 ⑥障害福祉サービス等の持続可能性の確保と適切なサービス提供を行うための報酬等の見直し、が掲げられ、これらの基本事項に基づき、且つ事業所の経営実態等を踏まえて、各サービスの報酬・基準が見直されました。
 一例をあげると、就労継続支援A型事業の基本報酬の算定では、従来の「1日の平均労働時間」に加え、「生産活動・多様な働き方・支援力向上・地域連携活動」の5つの観点からなる各評価項目の合計点をもって実績とするスコア方式になりました。また、就労継続支援B型事業は、「平均工賃月額」に応じた報酬体系と、「利用者の就労や生産活動等への参加等」をもって一律に評価する報酬体系に類型化されました。
 地域における生活の場であるグループホーム(共同生活援助)は、重度障がい者や医療的ケアが必要な方への支援がより評価されるようになり、重度障がい者の受入れのインセンティブが働く報酬体系に見直されました。
 一方で、全てのサービスにおいて、感染対策や業務継続に向けた取り組みの強化、虐待防止の更なる推進などが義務付けられるなど、事業運営の適正化や支援体制の更なる充実が求められています。
 今回の改定に共通して言えることは、「メリハリのある報酬」「きめ細かに評価」「効果的・適正に反映」などですが、これを裏返すと、「財源を増やさずに報酬を細分化(加減算)して再配分」「支援の実績や効果をより重視」「利益が出ているサービスの報酬を抑制」「事業運営の適正化・効率化」などと言い換えることができるのではないでしょうか。報酬改定の内容に一喜一憂することなく、施策の方向性や意図を理解することが重要です。
 障害福祉サービス等報酬は、利用者負担に直結するものであり、施設運営の柱となる収入源です。当法人の各事業所では、今回の報酬改定に適切に対応しつつも、中長期的な視点に立って経営基盤の安定を図り、利用者ニーズに対応したサービスを継続すること、そして何よりも利用者が望む生活が実現できるよう、支援の充実を目指すこととしています。